知らぬ間に

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知らぬ間に

「ハッ!」  意識を取り戻した俺は、首元に置かれた自分の手をばっと離した。ベンチに座ったままどうやら夢うつつになってしまっていたらしい。妙に身体がぽやぽやとする。 「何か…変な感覚がする。身体が怠いのはそうなんだが…。まるで身体を2つ抱えているみたいな…。背中に何かが乗っているような…」  何で俺は首元に手を当てていたんだ?意識を失った後…少し寝てただけだよな?  先程とは違う変な身体の感覚に俺は首をかしげた。 「…いや、まさか」  そうだ、疲れ過ぎて寝ただけだ。さっき、ちょっと仮眠を取ろうって下を向いた筈だ。 「うぅ、なんでこんな所で寝ちゃったんだ…。仮眠なんかせずに大人しく家に帰るんだった」  若干の後悔をしながら俺は自分の部屋へと向かった。
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