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第2章:相変わらすお気楽過ぎる!
「おお!お待ちしておりましたぞ勇者殿!」
目の前に居る恰幅のいいオッサンがニコニコと話し掛けてくる。相変わらず人当たりだけはいいな。
足を棒にして王都にたどり着いた俺達は、そのまま宿屋に直行してベッドに倒れ込みたい欲求を抑えて、その足で王宮へと赴いた。つくづく働き者だなぁ。
「ご無沙汰しております、陛下」
そして目の前にいるこのオッサン、このオッサンこそこの国の王だ。
俺と同じ人間であり、穏和で性格はいいんだが、国王としての手腕は……推して知るべし。
「堅苦しい挨拶はよいですぞ。……はて、何やら疲れておられる様子。シーナ、無礼は無かったんじゃろうな?」
傍らの狼耳少女が答える
「はい、問題なく。私とユウヒ様の間にはそもそも無礼と言う言葉など存在いたしません」
ん?存在いたしますよ?キミそこそこ地雷踏んでるよ?
シーナは続けて言う。
「私とユウヒ様の仲ですから!」
ドヤ顔をこっちに向けるんじゃない。
頭を鷲づかみしたくなる衝動を抑える。ここで手を出したらまた話が続かなくなる。
まだも喋ろうとするシーナの声を遮って話す
。埒があかないし。
「それで新しい魔王が現れたと言う事ですが?」
さっき話したように魔王のオッサンとは既知の仲で魔族とも和平が成り立っている今、新しい魔王がその和平を破ろうとしている!なんてのは例え噂でも大問題なのだ。
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