56人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
「大丈夫だ…俺を信じろ」
こんな緊迫した状況の中でもクサイ台詞を発してカッコイイ姿を見せたいのは人間、いや馬鹿男の安易な行動だろう。
震えるアイドルを抱きしめているシチュエーションに酔いしれている場合じゃない。
沢渡柳の唇はみるみる内に紫に変色していく。
「沢渡柳‼」
「怖い…助けて……嫌…っ」
なぜかフルネームで呼んでしまう(ヤナギん呼びはできない)
もう一度強く抱きしめるも機内アナウンスの音沙汰はなく乗客は取り残された状況だ。
頼む、無事にノルウェーに着いてくれ…!
最初のコメントを投稿しよう!