低飛空の出逢い

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低姿勢な女の子は花柄のミニスカートをヒラヒラさせながら(そう見えた)俺の前に立つ。 「…俺?」 オ・レ‼ 「日本人の方ですよね…?」 大きく頷いた俺はアイアム日本人であることをアピールする。 その証拠が携帯ゲーム機だ。さすがにパスポートを見せる訳にはいかない。 「私……私…」 「え?」 気付けば女の子の肩が震えていた。これはまずい。 「この中にお医者様は居ませんか」を本当に言いそうになる。 何か不安になっているのか?女の子に名前を訪ねてみる。 「違ったら悪いんだけど…もしかしてMissionのーー」 「……沢渡柳です。」 「沢渡柳(さわたりやなぎ)!ヤナギんだ‼やなっちだっけ」 生アイドルのプライベート姿に興奮気味の俺は思わず沢渡柳の両手を握る! 握手してください先に言えよ俺‼ 困惑したアイドル沢渡柳は俺の手を握り返す。これが俗に言う握手会握りってやつか。 「あったけ〜」 発した瞬間、一刻も早くノルウェーに着けと願ったーー……。 俺はキモくない、キモくない。
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