先輩が男として見てくれないから

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とはいえ居心地が悪いと思った私は、屋上で食べることにしたけれど─── 「園田さん!」 最悪なタイミングで松原透に声をかけられてしまった。 「……何?」 「あの、話があるので少しだけ良いですか?」 私より四歳年下。 それだというのに何、このいかにも仕事ができそうな雰囲気は。 雰囲気でも負けた気がして本当に悔しい。 けれど噛み付いてしまうのは、上司としてのプライドが許さないためグッと堪える。 場所を移動し、誰もいない穴場である屋上に来たところで彼の話を聞くことにした。 「松原くん、話って何?」 「実は、新事業を立ち上げるって話なんですけど…僕、それの発案者に任命されました」 「……そう、良かったわね」 これは一体何を聞かせられているのだろうか。 自慢? 宣戦布告? いずれにせよ、わざと不快にさせているということはわかった。
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