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放課後の図書室、一番窓際の一角にいつもいる男の子。
高校一年生の頃から入っている図書委員、二年目のことだった。
その男の子は、図書室のハードカバーを読んでいるようだが、受付の席からは遠く、なんの本を読んでいるかはわからない。毎日同じ場所から取り出し、戻していた。
ある日、その男の子がいなくなった。それは、男の子が現れた一ヶ月後のことだった。
何日経っても、男の子が現れることはなかった。
私は、男の子がいつも読んでいたハードカバーを手に取った。いつも本棚に返していたから、すぐに見つかった。
タイトルは『初恋と死』。内容は、いつ死んでもおかしくない病を患った、一人の男の子が初恋をする。しかし、想いを伝える前に亡くなってしまうという話だ。
私は涙をこらえながら最後まで読みきった。
そして、最後のページにメモが挟んであった。
『好きでした。さようなら』
私は、本を抱きしめるようにして、泣いた。
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