行進曲

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 フーガとデュオはバーニアの跳躍を見て、駆け足を早めた。 「まさか女の子の方まで何かあるなんて!」 「あの子も魔法使いなのか、それとも龍が化けてるのか……。何にせよ、只事ではなさそうだ。デュオ、先に行くぞ」  フーガは掌に力を込める。掌から放たれた光は縄の形へと収束した。  腰に下げている鉤爪を縄の端に取り付けると、それを投げ飛ばした。鉤爪は建物の屋上に引っ掛かる。縄は急速に縮まり、フーガは空へ引き寄せられる。勢いのまま跳んだ彼は屋上にひらりと着地した。ノックスとバーニアの向かった方角を睨み、フーガは駆け出す。  デュオは走りながら、フーガの行き先を眺める。 「良いよなあ、あれ……」
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