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君がいなくなって清々したと思っていた。
しかし本当のところは、太平洋の真ん中で、ひとりぼっちで浮き輪に浮いているような気持ちなのだった。
寂しいほど何もないことを自由だと思いたいだけだった。
君は、私と喧嘩をしたまま転校してしまった。
そんなある日、グーグルマップで近所を見ていると、そこに君がうつっていたので、つい笑ってしまった。
君は石につまづいて転んでいる。
笑った途端に、私はもう君を許していることに気がついた。
しかし君は私をまだ許していないらしい。
SNSでの繋がりも、君に断ち切られたまま。
いつしかグーグルマップはアップデートされてそこにすら君はいなくなってしまっていた。
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