いなくなったピピちゃん

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 部屋に入ると、嫌でも視界に入ってくる鳥籠。  当然、鳥籠の中にはピピちゃんの姿は無…… あった。   ……。  なーんでピピちゃんいるの!? なんでなんでなんで!?  予想外の出来事に僕はあっけらかんとした。  …………ふふーん。さては母さん。僕に嘘ついちゃったのかなあ? ふふーん。  じわじわと沸き上がってくる感情。僕はプルプルと体を震わせる。喜びの感情が押し寄せてきたのだ。 「んもう! ピピちゃんったらん! 今までどこに行ってたのさあ!」  あまりの嬉しさに、オネエ口調で僕はピピちゃんの鳥籠を抱きしめる。 「……ん?」  その時、ピピちゃんの姿を見て違和感を覚える。 「何でアフロ?」  なんと、ピピちゃんの頭がアフロヘアースタイルになっていたのである!  そのことに疑問に思っていると、ピピちゃんが喋り出した。 「拓也、突然いなくなってごめん。ちょっと色々あってな」  「いいよ。ちゃんと帰ってきてくれたんだから……って、え!? ピピちゃんどうしたの!? めっちゃお喋り上手になってる! てか何でアフロ!?」 「ああ、ちょっと異世界で人間の言葉を完璧に覚えてきたんだ。凄いっしょ?」  ピピちゃんは、お喋りが上手になっただけじゃなく、意志疎通も出来るようになっていた。
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