部長は何気に怒りっぽい。

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俺が椅子に辿り付いて、一息置くと、彩と雅が来た。 「ごめんなぁ、部長遅くなった。」 と雅は誤りながら入ってきた。 彩も続けて入ってきた。 「ごめんね、夜坂先輩」 と言いながら部長に近づき、部長の頬に自分の頬をくっつけて円を描くように、回している、二人の柔らかそうな頬がくっつく所を見て、雅はちょっと羨ましそうな顔をし、少しばっかり嫉妬をしているのが読み取れる。 「いいですよ、二人とも、まだ来てない人沢山いますし、」 そこから数時間後、やっと全員揃った。 「皆さん、遅くないですか?、私が招集かけたのって、2時間前からですよね?」 部室にあからさまに力の入った、トーンの低い声が響いた。別に声を荒げている訳ではないのだが、力が入っていて、低い声のため、よくゲームの最後に出てくるラスボスのような感じを醸し出している。しかしその声の持ち主はゲームのラスボスとはいつもなら全く似ても似つかない、容姿端麗、気宇壮大、頭脳明晰、幼女体型、幼女体型、幼女体型でおなじみの部長である。部長は、今は、ちょっとキレ気味であられる。理由としては、部長が招集してから2時間、やっと部員全て集まったことにある。ちなみに、俺は彩と雅がきたあと、さっきの小説を完結にまで持っていった。彩と雅は、ずっとイチャイチャしてた。愉快先輩に関しては、漫画を読み耽っていた。他の部員達は、暇だったらしくトイレに行ったまま帰ってこないなど、集合をどんどん遅らせる行動を、とっていた。部長も何かすればいいのでは、ども思ったのだが、部長は何か始めると中途半端では終わってくれないと言う、ちょっとめんどくさい性格してる。その為、何も始められなかったのだろう。 「まぁ、もう過ぎた事はしょうがないではないか、お姉ぇよ」 部長を落ち着かせようとしている声の主は、 《夜坂希望(よさか・のぞみ)》 苗字から察するに部長の妹、顔立ちは、やはり部長の妹と言うか、夜坂の家系なのかわからないが、整っている。大きく見開いた二重 (聞いた話なのだが左目だけ二重の為、毎日右目は作っているらしい)に目頭から、目尻の斜め上あたりまである、細長く、形の整っている眉。表情筋が死んでいる為、口は常に結んでいる。部長のコンプレックスである、身長は夜坂家の家系ではないらしく、16歳の女の子の平均的な身長をしている。また豊満な胸を持っており、部長が自分の体型を気にするのもそのせいであったりする。 「希望の、言う通りだそ夜坂、ぐすぐす言ってたって、しょうがない。だよな後輩」 とこっちをみて笑顔を向けて、話を振ってきたのは、やっぱり愉快先輩 「なんで俺なんですか先輩」 「別に理由はないが」 そうすると何か思いついたのか 「あ、まさかアレ、後輩よ、俺好かれてるんじゃねって思ったのか?」 やはり名前だけに常に愉快、イラつく程に 「いや、そんな典型的な考えはしませんよ、」 「そうなのか?、なかなか私みたいな美少女に話かけられる機会がないと思うのだが、後輩みたいな、童貞臭漂う陰キャ気質の君は」 完全なる挑発、確かに先輩が圧倒的美少女なのと、俺が陰キャ気質のヘタレ童貞なのは事実なのだが、 事実を突かれた事も含めて、かなり頭にくる。 別に先輩なので冗談と言うのはわかっているのだが、何かやり返したくなる。又。一応言っておくが、俺は童貞だが、彼女がいなかった訳ではない。 どちらかといえば陰キャの割にはモテていた部類に入るだろう。 「先輩がまぁ美少女なのは認めましょう。 普通に初めてあった時、見惚れましたし、男から見てもカッコいいですし、ですがね、世の中には言っていい事と言ってはいけないことがあるんですよ。知ってましたか?、」 これで赤面してさえしてくれれば勝った気になれるのだが。今の赤面させるために、言った、ちょっと恥ずかしい言葉よりも気になることがあった。らしく赤面しない。 「一つ引っかかるのだが、私と後輩があった時って私、髪の毛ボッサボッサで、死んでから三年ぐらい経った魚のような目してなかったか?」 確かに、初めてあった時、先輩にとって、とてつもなく好きな、バレーと言うスポーツの選手生命失ってから一ヶ月経った時だった。髪をロクにまとめておらず、目もいつも下を見ていて、誰かに押して貰わなければ、車椅子を自分で進ませようともしなかった時だ。いつ死のうとしてもおかしくない状況で、でももし、またもう一度バレーが出来るようになる日がくるかもしれないと言う希望を持ってそれだけを希望に、生きていた時代だ。 「確かにそうです。いま先輩が、大事にしている。 前髪の左端部分も無く、常に下を向いていて。生気のない目をしていて、バレーの備品一つでも見ると泣いてしまう、枯れ果てても泣いてしまう。そんな時ですが、俺はその時にも言ったように、何かに真剣になれる熱中できる先輩をカッコいいと思ったんですよ」 急に真面目な話と言うか、部長を落ち着かせる筈の話だったのに、それから外れてしまった、話をしたが愉快先輩は、顔を赤らめて 「嬉しいことを言ってくれるな後輩よ」 と笑顔を見せた。 「ゴッホん、あのぉーお二人さん、今大変いいところっぽいのですが、私の話に戻ってもいいですか?」 声は全員集まった時と全く、変わっていなかった まだイラついているらしい。 「と言うか、なに、愉快も嬉しそうな顔してるんですか?、そして、詩出君もやられたからってやり返さない。」 「すいません。」 「別に照れてる訳ではないんだがぁ」 「典型的なツンデレにしか見えないですよ、先輩」
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