言えないこと

当時私は、中学２年生。

夏休みの部活はそんなに遅くまでないし、
みなちゃんも夜遅くまで帰って来ないような
そんな子じゃなかった。

慌ててお風呂をあがると、
青白い顔をしたみなちゃんのお母さんが
駆け寄ってきた。

「のんちゃん、みなのこと知らない？一緒じゃなかったの？知ってることがあったらおばちゃんに教えて」

私の肩を掴み、早口で聞く。

『今日は一緒じゃなくて…。用事があるからって…』

「用事？何の用事が聞いてない？」

『何かは…。最近よくそう言うことあったから…。友達とはデートかもねって話してて…』

「デート？付き合ってる男の子がいるの？」

『いや…私達も、いるのかな？って話してただけで、本当の事は解らなくて…』

「そう……。ごめんね。遅くに…。奈々さん、もし何かわかったら連絡ちょうだい」

「わかったわ。力になれなくてごめんね」

奈々さんとは、私の母のことだ。

みなちゃんのママと私のママは、
家がご近所とゆうのもあって
私達が生まれる前からすごく仲が良かった。