先生が私の婚約者

episode1

｢あなた、さすがに勝手に婚約者をあてがい、今日から一緒に住めはさすがに横暴じゃなくて？母親としても、あなたの妻としても、それはさすがに納得できないわ。羽衣が興奮するのも当たり前です。｣

｢そうよ！ありえないし！ほんと、意味わかんないから。｣

｢羽衣、あなたはありえないし、とか意味わかんないし、の繰り返しで話が進まないから少し黙ってなさい。｣

…怖。

｢まず、なぜ急に婚約者を決めようと思われたのですか。｣

｢んー、そういや絵衣の時も高校生のうちに決めたなって思ってな。羽衣もそろそろだなって。｣

｢なぜ、担任の桂先生を？｣

｢蒼君の父親がうちの会社の人間でな。娘の婚約者をそろそろ決めようかって思ってたら、桂君の息子がちょうどいいかなって。｣

｢いきなり今日から一緒に住まなくてもいいのではないですか。せめて高校を卒業してからとか、結婚してからでも。｣

｢善は急げというだろう。｣

｢先程から理由が軽すぎます。そんなんで大事な娘を今日から私の元を離れさせれるとおおもいで？それに、桂先生のお気持ちも無視されるのですか？人の人生をなんだと思ってるんですか。｣

そーだそーだ。もっと言え、もっと言え。

でも、そんなお母さんの、抗議も儚く、父の横暴さは底知れず…
今私は新しい家のソファに桂先生と2人で座っています。