管(くだ)

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 変な物を置きやがって!  俺は怒りながらも、ヌルリとする管に足をとられ滑らないように、管を跨いで出ようとした。  だが、浴場をうろうろする男たちの尻を見て、管の正体がわかった。  管は、横たわっているのではなかった。  管は男たちの尻から伸びて・・いや、尻から生えているのだ。それが床を這うように伸びている。  尻といっても、もっと上の・・ちょうど尾てい骨のあたりだ。  極端に長い尻尾なのか?  尻尾というより、ここまで長いと触手だ。短い触手で、二メートル。長い人間は、どこまで触手が続いているのか分からない程だ。    男たちは、足や鱗、股間ばかりか、その尻も異常だった。  長い触手を目で追うと、  不思議と絡み合わず、触手同士が交錯した部分では、溶け合いながら重なったりしている。  またある者の触手は、排水溝へと伸びていて、その中に入り込んだりしている。中には、隣の女湯の間仕切りの壁を伝い、向こう側に伸びているのもある。  更に不気味なのは、男同士の触手の先が繋がっていて、中の液体が相互に行き来しているのだ。  繋がっている男たちの表情を見ると、身悶えしているような顔だ。触手の液体を交換し合う交合のようなものなのか。
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