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真偽は不明だが、確実に言えることはその目が、「魚の目」に見えることだ、
それだけではなく、親子三人の黒目は、その視線が定まっていない。左右の目が反対方向、つまりあらぬ方向を向いている。斜視ではなく、まるでグルグルと回転しているかのようだ。静止画なのに、動いているように見えるのは画家の優れた技術だと思うが、このような目は、実際に目の当たりにしないと描けないのではないかと思った。
最初見た時は暗いタッチだし、三人とも正面を向いているので分からなかったが、股間から何かが垂れている。
いや、よく見ると股間ではなく、その後ろ・・つまり、尾骶骨辺りから何かホースのような物が伸びている。それは管? いや、もっと生々しい・・そうだ、これは触手だ。
人間の尻から長い触手が伸びて地面を這っている。
まさしく題名の通り「人間の体に巣食う魚人」だ。
この絵を見ていると、俺自身もその絵の世界に吸い込まれそうになる。それが絵の力というものだろうか。
そもそも、この絵に描かれてあるのは、本当にこの世界だろうか。もしかすると、この画家が体験した異界なのではないだろうか。
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