人魚との交流

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 それより・・  あの銭湯以外に、温泉のある場所はあるのか?  他の銭湯、もしくは、温泉付き旅館。それとも、温泉の湧き出る人家。  どうやって探す?  そう考えていると人魚はこれから進む道の方角を指し、 「あっち」と強く言った。 「わかった」  行き先を示してくれるとは、ずいぶんと頼もしい。いつのまにか人魚の言うことを信用している自分に気づいた。  リヤカーを押すピッチを上げ道を進んだ。  途中、何人かの魚人と思われる老人に出会ったが、俺たちに手を出してこなかった。 「あの人たち・・頭が繋がっているのよ」と人魚は説明した。  頭が繋がっているだと?  そう聞いて、  俺は老人たちの頭が三色団子のように串で横刺しになっているところを想像した。  何とも不気味で滑稽だ。  すると、また、 「ちがうわっ!」  キイーン・・と、頭の中を金属のような声が駆け抜けた。  同時に、リヤカーの上で人魚の尾がブルンブルンと跳ねまくった。  人魚は、俺の下卑た想像に怒り心頭のようだ。 「あの人たち、仲間がひどい目に遭ったから、あなたを警戒しているの」  ・・そういうことか、  複数の老人に見えるが、本当は一つの体みたいなものなんだな。  俺は、一匹だけだが、半魚人の尻の触手を切り、倒した。その上、別れた女を模った魚人のメスも倒した。  それが他の魚人たちに伝達されているらしい。  それにしても俺は半魚人から警戒される身になったのか。
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