三月

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 三年生は、体育館を出たところで百人が整列し、俺達に向かって「アオハル、満喫しろよ!」と叫び「お世話になりました」と頭を下げて、寮に戻っていった。  こうして、追い出し会は終了した。  翌日の校舎はなんとなくガランとしていて、ちょっとだけ寂しい。・・・のかと思ったら、翌日の校舎も相変わらず騒がしくて、そこには「バッカお前、明後日テストだぞ!誰がフラフラ遊べんだよ!」と騒ぐ三年生がいた。  寮の部屋は業者が入って掃除するので、追い出し会の後退寮しなければならないけど、学校には三月十日の卒業式までなんだかんだとする事が残っているらしい。  在校生の苦笑いを受けながら、自由登校になっても麓から二時間かけて登校してくる三年生は、本当に学校が好きなんだなぁ。と、何も知らなかった俺達一年は唖然とした後みんなで顔を見合わせて大笑い。  そんな辛い事を全部無くしてくれたこの学校で、俺は二年生になる。  夢はまだ見つからないけど、ここで俺は大人になる。
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