息子が死んだ

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息子が死んだ

 息子が亡くなった。まだ29歳だった。バイク事故という唐突な亡くなり方で、まだ気持ちの整理がつかない。私はまだ涙が止まらぬまま葬式の準備をしていた。  息子はファーストフードのチェーン店で店長をやっていたから、店の店員が大勢で葬式に参列してくれた。    しかし、参列してくれた店員達は軒並みにこにこしている。 「店長は、いつも『つらいときこそ笑顔で』と教えてくださいました。私達が少しでも至らなかったり、笑顔が足りないだけでバックヤードでボコボコにして教育してくださいましたね。店長が亡くなって、みんな悲しくて辛くてたまりませんが、ご覧の通り皆笑顔ですよ」  と、店員一同は忌辞を読んだ。おそらく、店員達は今心から笑っているのだろう。    私は息子の教育を間違えたようだ。だけどもう後悔しても遅かった。
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