続編 脳ストライク2ボール【孫と共に】

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   「しかし、見渡せる限り、家も無いなぁ…」 「おじいちゃん、ところでアラスカって何処の国?」 「アラスカは、敵国アメリカの領土だよ。」 「しかし、外に出たら寒すぎる。  食料だって何もない。」 「本当に、ここがアラスカだったら、捕まって、捕虜にされるか殺されてしまうぞ!」 「僕の知ってるアメリカ人って、悪い人はいなかったよ。  プロ野球に助っ人で四、五人居るけど、皆んな、紳士的だし、ユーモア満載だし。」 「陸は、アメリカ人と野球をしてたのか?  それでもお前は日本人か!」 「僕らの時代は、おじいちゃんの思ってる時代じゃなくなったんだよ。」 「そうなのか…。」   「あっ、向こうからライトの光が見えない?」 「アメリカ人かも知れない。  焚き火の火を消せ!」 「駄目だって!凍死しちゃうよ。」 「犬ぞりだ。  こっちに向かっている。」    ワォ〜ン、ワォ〜ン  【今日の訪問診察は、後一件で終わりだな!】  【院長、帰ってホットコーヒーでも、飲みたいですね!】  【サム、私は、ホットウイスキーだな!  おいサム、あれは何だ!人の足跡があるぞ。】  【こんな所に人が居たら死んでしまいますよ。クリス院長。】  【急いで探すんだ!まだ、生きてるかも知れない。  足跡は、あそこの洞穴まで続いてるぞ!】   「やばい、犬ぞりがこっちに向かって来るぞ!」 「おじいちゃん、俺達、助かるんだよ。  信じようよ。このままでは死んでしまうよ。」 「アメリカ人なんて信用出来るか!」 「おじいちゃん、前に言ったよね。  友達が居るから、助け合って生きていけるんだって。」 「俺は、そんな事を言ったのか…?」    サムとクリスは、犬達を洞穴の前に残し二人は、洞穴に向かった。 「やばいぞ!逃られない。殺される…。」    【誰か居るのか!居るなら返事をしてくれ!】 「やっぱりアメリカ人だ。」 「help!助けて下さい!」 「こらっ、陸!何で喋るんだ!」  【クリス院長、日本人です。】  【助けを求めてる人に、敵国なんて関係無い!早く犬そりに乗りなさい。】  【クリス院長、助けた事がバレたら、やばいですって!】  【うるさい!つべこべ言わず、私の指示に従いなさい!】 「おじいちゃん、あの人、怒ってるよ。」 「ほらみろ!俺達は、殺される。」 「いいじゃん!僕もおじいちゃんも一回は、死んでるんだから!」  クリスとサムは、嫌がる私達を無理矢理、犬ぞりに乗せられた。 「離せ!離せ!」    サムは、無線で病院に連絡を入れた。 「アンカレッジの田舎で日本人を発見したんだ!  今から病院に向かう。  処置の準備を頼む!体は凍傷が多数有る!」    クリスから温かい毛皮の毛布を貰い、一時間くらい走っただろうか、だんだん街の灯りが見えてき出した。  そして割と大きな病院に着いた。 【担架で運びなさい。】  病院の中では、沢山の看護師やドクターがクリス院長の帰りを待っていた。  【院長、お帰りなさい。】  私は、暖かい病院内に入った。  病院内は、薪のストーブが多数置かれていた。 「おじいちゃん、温かいね!僕達、助かったよ。」  クリス院長は、私に聞いてきた。  【食事は取れますか?無理なら点滴で栄養を体に送りますよ。】  私達は、何を言ってるか分からなかったが、クリス先生は食べるジェスチャーをした。  私は無視したが、陸が無理矢理、フォークとナイフでステーキを切る格好をした。  【おぅ、食事だね!温まる物を用意させるよ!】  
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