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サタン
翌朝、さっそく魔王軍のユニフォームを着てみた。七大悪魔軍に所属する一番のメリットは、専用ユニフォームが着れることだ。
真っ黒のマントは、えりに綺麗な銀色の装飾があって、背中には、白と黒のチェックの旗。中央にはドクロマークがある。帽子には金のバラが刺とともに添えられている。
「これって、誰がデザインしてるんだろうね?」
「魔王が権限を与えた誰かじゃない?」
確かに、あの人にこんなセンスがあるとは思えないなあ…。そんなことを考えているとサタン軍団長が来た。新人の教育係として、七大悪魔軍軍団長のサタンがついてくれるらしい。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
サタン軍団長は、頭から2本の大きなツノを生やし、黒いコウモリの羽をもっている。俺は感動して聞こえないように気をつけながらロキに話しかけた。
「すげえな!まるっきり悪魔だ!」
「装備だよ。七大悪魔だけが買える装備なんだ。」
「へえー!」
「オシャレ装備だから特別な性能があるってわけじゃない。見た目だけだから。ほら」
サタンの羽が壁に当たったと思いきや、羽はぶつかることなく、壁に当たった分だけ消えた。実在はしてないってことなんだ。
俺はふと、自分の服をみた。
フッと、ユニフォームがブレて、制服が変わった。顔が隠れるくらいの深いフードがついた。
「おお!闇の教団って感じ!」
ロキはフードを深くかぶった。
会議室でサタンの講義が始まった。
「まず、悪魔軍の置かれている状況について説明する。我が軍は、7大悪魔軍軍団長のうち、3名がゲームオーバーとなり、危機的な状況となっている。天使軍は7名とも健在であり、まさに、窮地にたたされている。」
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