タロット

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タロット

Dランクになった。早くジョブにつきたい俺は、ベリアルに掛け合った。 「よし、とりあえず街に戻って、俺のジョブを選ぼう!」 「まだギルドには行かないデスヨ」 「え!?お前ジョブもってるんだろ!?タロット関係の!お前だけずるいぞ!」 「ンンー…」 ベリアルは帽子を深く被り直して、面倒そうに返事をする。正直、ムカつく。白の酒場で再開してから、なにもかも、こいつのペースだ。 「俺はゲームを楽しみたいんだよ!ジョブにつきたい!ファイアか、なんならお前の系統にも合わせるから!それに、ロキを助けるにはゲームをすすめないと…!」 「…Bランクに上がると、もっといい職につけるんですよ…。いまどき基本職なんて、ジョージャクですよ?」 「え?なんで?」 「なんでって」 ベリアルが右手を指さしながら見る。俺もそちらを見る。 岩でできた、デカい怪物がこちらに向かってくる。 「げえっ!?なにあれ!?」 「職業…トロールとかじゃないですか?ちなみにああいうのも、Bランクからなれマス」 「あれはいやだ」 「エルフとかもありマスガ…ジョブ覚えてからがこのゲームの楽しいところデ…しかし…手強いですねえ」 ベリアルは少し考えてから、人差し指を顔の前に出して笑顔でこう言った。 「非常に申し訳ないデスガ、盾になってくだサイ」 「はぁ!?」 「ささ、戦闘開始デスヨ。アタシのターン!二人分の攻撃ターンを使って、5枚ドローし、伏せる」 なんて勝手な奴だ!俺の攻撃ターン使うなんてありかよ!? 「ほらほら、敵きた。あんた盾になんなさいよ。」 「はぁ!?剣なんだから盾として機能するわけ…」 「ダイジョーブ。私、カードの引きが良いもので、勝てマスヨ」 敵が石つぶてを投げてきた。 (え?なんで剣の攻撃じゃないんだ?これがジョブの攻撃?) 俺は剣を両手で持って防ぐ構えをした。 すると、下のカードが光った。 -隠者のカードが発動します。敵の攻撃時、攻撃力を防御に変更- 「おお!防げた!」 「今のカードが入ってなかったらゲームオーバーデシタ。危なかったデスネ?」 「はぁ!?」 俺は怒った。当たり前だ。ジョブも選んでないのにゲームオーバーなんてごめんだ。 「ゲームは運デス。」 ベリアル人差し指を口にあてて笑った。 「アタシのターン。レイリくんのターンも使用し、2枚ドロー。」 「また俺のターンを勝手に!!」 「ふふっ!教皇と死神。教皇の効果でレイリくんはもう一度動ける。死神のカードでアビリティを強化。」 「よくわかんねえけど、こっちの勝ちってわけだな!」 [確定]一撃必殺 WIN-白の軍 プレイヤー・レイリのランクがD→Bに上がりました。 これにより、特殊ジョブを選択できます。ギルド以外にも利用できるイベントがありますので、どうぞご活用ください。 「一気にB!?」 「強敵ボーナスがつきましタネ。あいつ特殊ジョブでしたカラ」 しかし、運良く勝てて良かった。それにしても、ベリアルは何の職業なんだろう。 「さて、じゃぁ、君のジョブ探しマスカ。」 「じゃあさっそくギルドに」 「ギルドじゃあロクな職につけマセン」 「じゃあどうするんだよ」 ベリアルは、帽子を深く被り直して言った。 「ジョブクリエイターのところに行きマスヨ」
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