2人が本棚に入れています
本棚に追加
タロット
Dランクになった。早くジョブにつきたい俺は、ベリアルに掛け合った。
「よし、とりあえず街に戻って、俺のジョブを選ぼう!」
「まだギルドには行かないデスヨ」
「え!?お前ジョブもってるんだろ!?タロット関係の!お前だけずるいぞ!」
「ンンー…」
ベリアルは帽子を深く被り直して、面倒そうに返事をする。正直、ムカつく。白の酒場で再開してから、なにもかも、こいつのペースだ。
「俺はゲームを楽しみたいんだよ!ジョブにつきたい!ファイアか、なんならお前の系統にも合わせるから!それに、ロキを助けるにはゲームをすすめないと…!」
「…Bランクに上がると、もっといい職につけるんですよ…。いまどき基本職なんて、ジョージャクですよ?」
「え?なんで?」
「なんでって」
ベリアルが右手を指さしながら見る。俺もそちらを見る。
岩でできた、デカい怪物がこちらに向かってくる。
「げえっ!?なにあれ!?」
「職業…トロールとかじゃないですか?ちなみにああいうのも、Bランクからなれマス」
「あれはいやだ」
「エルフとかもありマスガ…ジョブ覚えてからがこのゲームの楽しいところデ…しかし…手強いですねえ」
ベリアルは少し考えてから、人差し指を顔の前に出して笑顔でこう言った。
「非常に申し訳ないデスガ、盾になってくだサイ」
「はぁ!?」
「ささ、戦闘開始デスヨ。アタシのターン!二人分の攻撃ターンを使って、5枚ドローし、伏せる」
なんて勝手な奴だ!俺の攻撃ターン使うなんてありかよ!?
「ほらほら、敵きた。あんた盾になんなさいよ。」
「はぁ!?剣なんだから盾として機能するわけ…」
「ダイジョーブ。私、カードの引きが良いもので、勝てマスヨ」
敵が石つぶてを投げてきた。
(え?なんで剣の攻撃じゃないんだ?これがジョブの攻撃?)
俺は剣を両手で持って防ぐ構えをした。
すると、下のカードが光った。
-隠者のカードが発動します。敵の攻撃時、攻撃力を防御に変更-
「おお!防げた!」
「今のカードが入ってなかったらゲームオーバーデシタ。危なかったデスネ?」
「はぁ!?」
俺は怒った。当たり前だ。ジョブも選んでないのにゲームオーバーなんてごめんだ。
「ゲームは運デス。」
ベリアル人差し指を口にあてて笑った。
「アタシのターン。レイリくんのターンも使用し、2枚ドロー。」
「また俺のターンを勝手に!!」
「ふふっ!教皇と死神。教皇の効果でレイリくんはもう一度動ける。死神のカードでアビリティを強化。」
「よくわかんねえけど、こっちの勝ちってわけだな!」
[確定]一撃必殺
WIN-白の軍
プレイヤー・レイリのランクがD→Bに上がりました。
これにより、特殊ジョブを選択できます。ギルド以外にも利用できるイベントがありますので、どうぞご活用ください。
「一気にB!?」
「強敵ボーナスがつきましタネ。あいつ特殊ジョブでしたカラ」
しかし、運良く勝てて良かった。それにしても、ベリアルは何の職業なんだろう。
「さて、じゃぁ、君のジョブ探しマスカ。」
「じゃあさっそくギルドに」
「ギルドじゃあロクな職につけマセン」
「じゃあどうするんだよ」
ベリアルは、帽子を深く被り直して言った。
「ジョブクリエイターのところに行きマスヨ」
最初のコメントを投稿しよう!