私の光

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「ふふ。私は腹違いの姉だって? 正妃の娘はサーシャよって? そんなこと、あの子は知る必要ないわ。それに私は権力争いに巻き込まれるのなんてごめんだったもの、あなたに戸籍を用意してもらって、ただ逃げただけ。それにね、本当に好きなのよ、舞うことが」 「……そのように、見受けられました。ユーリ様には不思議と人々を魅了する力があります」 「私ね、サーシャにはもう会わないつもりだった。でも……ずっと待っていてくれたなんてね……。私の死を望まないでいてくれたのはサーシャとアルベル、そして何も知らない国民だけよ。お父様も大臣も、私が居なくなった時はほっとしたでしょうね」 「そのようなことは……」 「気を遣わないで。私、あなたのくれた今の人生が大好きだし、幸せよ。サーシャが頑張っているなら、私も頑張れる。あの子は私の光なの」 ユーリの言葉に、アルベルは思わず涙を流した。 「サーシャ王様も、いつも同じことを仰っています……」 「サーシャも……」 ユーリは目に光る雫を指でそっと拭き取る。 「そうだわ、パール国との提携は進めるべきよ。国王は誠実だし、国の資源も豊富で貿易の向上に期待ができる。ジュルエ国は見送った方がいいわね。新しい方策にクーデターが起きているから、国内はしばらく落ち着かない」 「承知しました、そのように。……ユーリ様ほど、この国とサーシャ様を想われている方はいないでしょう」 アルベルの言葉に微笑んだユーリは、またねと軽やかに教会をあとにした。
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