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やがて皮膚は変色のみならず皮が剥けて、じゅくじゅくと爛れるようになった。
そして身体が妙に重く感じる。
新婚の廣川さんにとっては、この症状はとても耐えられるものではなかった。
夫も心配してくれたが、当初の幸せな空気など消え失せてしまった。
専門医を紹介してもらい検査を重ねたが、そこでも結局原因が判明しない。
廣川さんは塞ぎ込み、毎晩泣いて過ごした。
この話を聞きつけた親戚の叔母が、廣川さんに拝み屋の北畑さんを紹介したという。
叔母の話では、北畑さんは四国でもけっこう名の知れた人らしい。
失せ物探しや憑き物落としが得意で、過去多くの人が世話になっているという事だった。
廣川さんは半信半疑だったが叔母の強い勧めもあり、一応会ってみる事にした。
彼女の新居を訪れた北畑さんは物静かな初老の男性で、純朴そうな顔を見た廣川さんも何となく安心した。
リビングのテーブルを挟んで向かい合って座り、廣川さんの話を一通り聞く。その間、北畑さんは彼女の背後に何度か視線を向けた。
その後、北畑さんはぽつりと言った。
「憑き物だね」
数日後、改めて祈祷をやる事になった。
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