第Ⅰ話霊媒師

2/13
前へ
/34ページ
次へ
葬式の写真には笑顔が可愛い少女が写ってる 俺、良平の妹の野上美和当時15歳 東京の私立魁皇高校に入学、毎朝一緒に登校した妹はもう居ない。 入学から半年近く、入学初めての新学期 迎えた全校集会後に…自殺した 美和と同じ部活の後輩からの話では 次の授業にトイレに行ったきり、授業に戻らず 屋上から教師たちの声が聞こえたと同時に屋上から飛び降り、校庭に落ちた。 体育だった為、体育館から戻った直後 校舎から女子の悲鳴が聞こえ、校庭に見ると妹が血まみれで倒れていた…俺は、… 慌てて駆け寄って、抱き寄せたが 俺の顔を見て…「…だよ」「美和?美和!」息絶えた。 その後、妹はクラスメイトからいじめを受けていて原因はそれらしい 葬式後、クラスメイトや、先輩仲の良かった人が泣いていた。 俺は、亡くなった事実が受け入れたくなくて 亡くなった場所に何度も来てる 警察や、鑑識が学校の屋上に来て 現場検証を教員たちと話している 屋上だけ、警察が来てるため 生徒は屋上に行くのを禁止になっていた 夕方、警官が立ち入り禁止の所に2人立っている。俺が近づくと「また君か。ここは立ち入り禁止だよ」「…亡くなった妹の兄なんです…屋上に入らせてください。少しでいいので屋上に入らせてください」 頭を下げると2人が頷き「少しだけだ」 「ありがとうございます。」 中に入る。日中はまだ蒸し暑く夜は少し涼しい…「美和、来たよ。お前はどこにいるんだ」責めて美和の霊が見えたら…そんなこと考えた時 「君がそんな気持ちだから、妹の美和さんは安心して天に行けない」「うおっ!?だ、誰だよ…」 先客がいたらしい…その声に驚く 夕日に照らせれ顔とシュルエットが見えた紫と白の 和服の装束を着ている。刀のような武器も腰に付けていた 整った容姿の黒長髪の少女がそばにいた。 「…野上良平だよね?美和さんの兄。間違いないか?」「あ、ああ。…あんた誰?」 「依頼を受けて来た」 「いや、だから名前…俺の名前知ってるんだから教えてよ!」 「時東夜空。」「え?…時東って…は?」 時東夜空。名前で思い出した。俺のクラスメイトに去年転入してきた寡黙な女子生徒だ。 「なにやってんの?そんな格好して」 「仕事だ。」「仕事?バイトしてるのか?」 話が合わない「とりあえず…本題だ。私は妹の美和さんからの依頼を受けて…ここに来た。野上。お前を救うためだ」 「俺を…救う?」「美和さんを失ったことにショックを受け現実を受け入れたくなくて 暗いお前が心配で美和さんはお前のそばに居る」「美和が!?どこに」 そばと言われたが見えない…まさか 「見えるのか?そ、その…幽霊が」 幽霊が見える。そんなことありえないと思っていた。嘘だと現実と思いたくなったけど… 言葉が出ない俺に気づき 「ありえないと思ってるでしょ。よくある事だ。気持ち悪いと言われる…話が離脱したが…美和さんの未練を晴らし、成仏させないと大変なことになる。」 「大変なこと?」「亡くなって四十九日 内。または、未練を抱えたまま、地上。つまり この世にいると 恨み、妬みを取り込みすぎて…」 その先は言いたくないようだが…どうなるのか分からない覚悟の上できく 「どうなるんだ。教えてくれよ」 「霊怪物(れいかいぶつ) と呼ぶ化け物となってしまう。そうなれば魂ごと斬る。」 「化け物…は?」「実際に視える人にしか見えない。私は化け物になる前に何としても未練を晴らし、成仏させ天に帰さなければならない」葬式や事情聴取があって1週間バタバタしてた。「そんなこと急に…」 「君の身内からの依頼だからな。私のやる仕事も聞いた事だし、手伝ってくれるよね?」 「な…」は、はめられた! 「なんで手伝わなきゃ…」「美和さん、お兄さんは君を天国に送るのが嫌みたいだ。このままじゃ…美和さんが大変なことに」 顔に手を負い、悲しむ素振りをしてる 口元はニヤリと微かに笑っている 性格悪いな…「わ、わかった。手伝うよ…」 その言葉に耳を立てていた時東は顔を上げ「そうかそうか。助かった。」 まじで性格なる…「お前さぁ…」と近づこうとしたその時…グイッ!腕を引っ張られ 後ろにほおり投げ時東も距離をとる。 「美和さん!野上の所に!」 妹も呼んだらしい。すぅーと俺の近くに来た。「ちっ…長居させなきゃ良かった」 ゔゔ…青白い生気がない男女が現れた ここの制服を着てる男子生徒と女子生徒が ゆっくりと近づいてきた 男子は足を引きづり、女子は頭から血を流している。 「…すぐに邪気を祓って、天に帰してあげるわ」チャキ…ビュッ!と腰の位置に着いている 刀を抜くと、甘い香りが広がった うう…男女の幽霊は後ずさる 「なんだ…桃の香り」 構えをとり「桃刀(ももがたな)…、時東夜空。悪しき邪気を祓います」 霊媒師…って…噂の?
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加