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蘇生後・・・
「ふう!生き返るー!。これが、異世界の生き方、そして死に方って奴か・・・・」
異世界初のモンスターとの戦いは終わり。
俺は草原に横たわって、大地に吹く風を全身で感じ取っていた。
「うふふふふ!。まるで自分が一番働いた、活躍したと言うような素振りですね」
実際の所、俺は何も出来なかった。
蘇生後に目が覚めると、俺の前にはトロールの死体が横たわり、トロールの頭は潰れたトマトのようにぐちゃぐちゃだった。
そしてアストレアはその死体の上に乗って座ったまま、ローリングピンにこびりついた血と肉片を、布で拭き取っていた所だった。
「そういえばです。勇者様、あなたのお名前を伺っていませんでしたね。
しかしあなたには既にエロ豚という立派な名前が付けられましたので。無くても問題ありませんね。うふふ」
「おっと!これは失礼、アストレアさん。自己紹介が遅れすぎました。
俺の名前は、、、、、、、あれ、、、、俺の名前は、、?」
やばい。名前が思い出せない。
転生前の消えた記憶の中に自分の名前も含んでいたのか?
そう、きっと今は自己紹介出来ないんだ。
と言うより、思い出すものなのか!?
ここはどうするべきか。偽名を使うべきか。
素直に思い出せないと言うべきか。だがエロ豚のままは嫌だしな。
それとも俺は俺ですって言ってみようか。
いや、そんな事言ったら、何1人で哲学しているんだという話になる。
「無理もありませんね。うふふふふ!。あれだけ頭を叩かれたのですから。
大事な記憶の1つや2つ、消えるのも当然です。」
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