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男が気を失う2日ほど前・・・
この寺に住んでいる少女、葉羽は、膝を痛めている和尚のために、ここから30分ほど離れた街まで鎮痛薬を買いに行っていた。
その帰り、古寺に戻る坂道で、倒れている男を発見したのだ。
男はまだ若いようだったが、ボロボロに衣服が破れ、体中にはたくさんの傷があるようだった。
葉羽は、それに気が付くとすぐに駆け寄り、声をかけた。
「大丈夫ですか!!!しっかりしてください!!」
「あ、、、あぁ、、、、、、」
男は少女の声にうっすら目を開けたが、また意識を失った。
「あ、あの!!しっかり!しっかりしてください!!」
何度も揺さぶりながら声をかけるが、男は目を開けない。そして、破れた衣服からは多数の傷口が垣間見えた。
「ひどい傷、、、どうしたら、、、私一人じゃこの人を抱えきれないし・・・
ちょっと可哀想だけど仕方がない!とにかくこの人を助けなきゃ!!」
少女は何かを思い立ったように寺まで大急ぎで走った。そして庭先にあったバケツいっぱいに水を汲むと、また男の元へ戻った。
そしてぐったりした男に容赦なく、バケツの水をかけた。
バシャーン!!!!
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