かぐや姫にはならない!

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 にんまりとあたしは笑う。さっと引いていく黒服たち。  血のつながった両親は、悔しそうにしっぽを巻いて去っていった。 「月子、本当にいいのか?」 「いいんだよ、お父さん」 「わたしたちなんかでいいの?」 「もちろんだよ。血のつながりやお金なんかより、もっと大切なものを二人はあたしにくれたじゃない」 「「月子……」」  かぐや姫になんかなれなくてもいい。  月がきれいですね、とイケメンに遠回しな告白を言われなくてもいい。と  あたしは。 「大好きな二人の、お姫様でいたいの? だめ?」 「そんな、もちろん大丈夫に決まってるじゃない」 「当然、お父さんのお姫様は月子だけだ」
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