7人が本棚に入れています
本棚に追加
にんまりとあたしは笑う。さっと引いていく黒服たち。
血のつながった両親は、悔しそうにしっぽを巻いて去っていった。
「月子、本当にいいのか?」
「いいんだよ、お父さん」
「わたしたちなんかでいいの?」
「もちろんだよ。血のつながりやお金なんかより、もっと大切なものを二人はあたしにくれたじゃない」
「「月子……」」
かぐや姫になんかなれなくてもいい。
月がきれいですね、とイケメンに遠回しな告白を言われなくてもいい。と
あたしは。
「大好きな二人の、お姫様でいたいの? だめ?」
「そんな、もちろん大丈夫に決まってるじゃない」
「当然、お父さんのお姫様は月子だけだ」
最初のコメントを投稿しよう!