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「月子。具合が悪そうだけど、無理しなくていいんだからね? お母さん、仕事や済んでみてようか?」
「大丈夫だよお母さん、あたし元気だから。お仕事頑張って」
「でも……」
「お母さんこそ無理しないで。いつだってあたしのために頑張ってくれてるし……今日だって本当はお母さん寝不足なんでしょ? なのに、お弁当はバランスがいいものを作ってくれてたし」
「当然でしょう。月子が大事だもの」
「そう言ってくれる親がいて、あたしは幸せだなぁ」
(……そりゃ、血はつながってないけれど)
だって。拾われたころ、あたしの体にはいくつものあざがあって。
ああ。愛されていなかったんだなって、思ったと近所の人がひっそり教えて
くれた。
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