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血相を変えたお母さんがいて。
「何!?」
黒服たちはお母さんを取り囲む。
「お母さんに手を出したら、あたし一生戻らないから」
慌ててあたしが言うと、皆が引っ込んだ。
「ありがとう、お母さん」
「月子、無事?」
「お母さんこそ、ぼろぼろ」
大事な顔にまで傷がついてるのに、そんなの気にせずにお母さんはあたしを撫でた。
「今お父さんも来るから」
「月子っ」
「お父さん、仕事じゃ……!」
「そんなの関係ない、娘が危機なんだから」
「……お父さん。お母さんも、ありがとう」
あたしはぽろぽろ泣いて、その場にしゃがみこんだ。
正直すごく怖かった。足が震えてわんわん泣いた。
そんなあたしを、二人は抱きしめてくれた。
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