かぐや姫にはならない!

6/13
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 血相を変えたお母さんがいて。 「何!?」  黒服たちはお母さんを取り囲む。 「お母さんに手を出したら、あたし一生戻らないから」  慌ててあたしが言うと、皆が引っ込んだ。 「ありがとう、お母さん」 「月子、無事?」 「お母さんこそ、ぼろぼろ」  大事な顔にまで傷がついてるのに、そんなの気にせずにお母さんはあたしを撫でた。 「今お父さんも来るから」 「月子っ」 「お父さん、仕事じゃ……!」 「そんなの関係ない、娘が危機なんだから」 「……お父さん。お母さんも、ありがとう」  あたしはぽろぽろ泣いて、その場にしゃがみこんだ。  正直すごく怖かった。足が震えてわんわん泣いた。  そんなあたしを、二人は抱きしめてくれた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!