君はそこで笑っていて

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君はそこで笑っていて

君は王子.....俺は召使い。 運命を分かつ。哀れな二人と言われている。 でも、この国の人達は君を悪者と思っている。 そんな奴らから君を守れるのならば俺は悪だろうがなんだってなってみせる。 君は期待の中生まれた王家の子供。 そんな君を祝福するのは教会の鐘だ。 そんな君と出会って、仲良くなった。君は俺に花かんむりの作り方を教えてくれたよね。 でも、大人達の勝手な都合で俺ら..... 二人の未来は二つに裂けてしまった。 それから、君は王家の血を引き継ぐ者として王子となった。 俺は君、専用の召使いとなった。 みんなはあまり嬉しくないみたいだ。国の人々達も認めてないみたいだね。 例え、世界の全てが君の敵になろうとも。 俺が君を守ってみせる。だから..... 君はそこで笑っていてくれ。 君は王子で俺は召使い。運命分かつ哀れな二人と言われている。 君を守れるのならば俺は悪だろうがなんだってなってみせる。 隣の国に用事があり、隣の国へ出かけた時 街で見かけた女の子と出会った。 その優しげな声と笑顔に一目で俺は恋に落ちた。 でも、そいつには男がいて。そいつも優しそうだった。 それを見た、王子は男の方を殺して欲しいと願った。 君が.....君が彼を消して欲しいのなら..... 俺はそれに応えよう。 でも、どうしてだ.....君のためならなんでもやるはずなのに.....どうして、涙が止まらない 君は王子で俺は召使い。運命分かつ哀れな二人と言われている。 俺は木の下で昼寝をしている君の隣に座り、手を握って笑顔で 「今日のおやつはブリオッシュだよ」 と言った。 そしたら、君は笑った。無邪気に笑ってくれた。 こんな日々が続けばいいのに.......... そんな願いは叶うはずがなかった。 もうすぐこの国は終わってしまうのだから。 怒り狂っている国民達の手で..... これが報いだと言うのならば.....俺はあえて、それに逆らおう。 「王子、これを」 「え.....?」 「俺の服を貸してあげます。これを着て、すぐにこのお城から逃げてください」 「え、でも!そしたらお前が!それにバレたら.....」 「大丈夫ですよ。俺らは生まれつきなのか知りませんが、顔が少し似ていますから。きっと、入れ替えたなんて誰にも分かりませんよ」 「それでも、お前を失いたくない」 「大丈夫です。また会えます。さぁ、早くお逃げ下さい」 「.....うん、また会おうな!約束だからな!」 俺は王子。君は逃亡者.....今は運命分かつ悲しき二人だ。 君を悪だと言うのならば.....その道を一緒に選んだ俺にだって同じ血が流れているはずだ。 昔々、あるところに悪逆非道の王国の頂点に君臨してた。とてもかっこいい俺の友達。 「おい聞いたか!王子がついに処刑されるらしいぜ!」 「え.....?」 「良かったな!これで自由だぜ!」 「そ、そんな.....」 あいつが処刑される.....?俺の代わりに? そんなの嫌だ!待って、また会うって約束をしている。まだ、その約束を果たしてない。 死なないでくれよ..... ついにその時がやってきた。俺の終わりを告げる三時の鐘が鳴った。 民衆達には目もくれず、俺は君の真似をした。 君は王子。俺は召使い。運命分かつ哀れな二人と言われていた。 君を守るそのためならば、命にかけてでも守るよ。 もしも、生まれ変われることがあるのならば その時はまた遊んで欲しい......
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