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「俺は、お前の身辺調査でここに来てる訳なんだが…実はな、人間に見つかってはいけない決まりなんだ。」
「………はぁ?」
「本当であれば俺がお前に姿を見せるのはお前が死ぬ直前。つまり、あと1ヶ月のはずだったんだ。」
今更そんな訳の分からない死神事情を言われても知らねーよと言わんばかりに俺は、眉間にシワを寄せた。
「まぁ何が何やらって感じだよな。お前は例外だったっぽいが普通の人間だったら1ヶ月後に死にますなんて言われたらパニックになるだろ。それを防ぐために見つからないようにしているんだ」
「あぁ……その割には随分とベラベラ喋ってたように見えたが?」
「それは、お前があまりにも期待通りの驚き方するからつい楽しくなって」
「はぁぁぁあ??」
ジンは、小学生みたいなドヤ顔をした。
「いや、だってお前これでもかっ!ってくらい目見開いてたぞ」
「だ、誰だってあんなん見たら…驚くだろ!!」
口を抑えて必死に笑いを堪えようとするジンを見て、イラつきとともにこんな奴が生命の死を司っていていいのかと呆れる。
「すまんすまん。では、本題に入ろうか」
先程の空気とは一変し、緊張が漂う。
「本来であればお前が死ぬのは1ヶ月後だが姿を見たお前にはもう1つの選択がある。」
「もう1つ…」
「今ここで命を絶ってしまうことだ。」
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