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今ここで死ねる……
今までの俺だったら死ぬことになんてなんの抵抗もなかったのにいざ死を目の前にしてみると誰だって怖いものだ。
だからといってあと1ヶ月生きたいという理由もない。
「……もし今死ぬとしたら…どうやって死ぬんだ…?」
「それは、この俺の鎌でサクッと逝けるぞ」
「………え…」
「とは言っても肉体は傷つかず魂だけがこの世界から切り離されるだけだがな」
「……最初からそう言えよ」
「何だ、怖いのか??」
ジンは、からかう様にこちらをニヤニヤと見てくる。
(サクッと逝けるなんて聞いたら真っ二つにされるのかとか思うだろうが)
環樹は、ジンを全力で睨みつけた。
元々睨みつけて怖がられるような眼力は無いがそれでも少しは効いたようでジンは、からかうのをやめた。
「んで、結局どうするんだ?」
「…俺は……」
色々考えたがやはり俺には、この選択が1番あっているだろう。
「今、ここで死ぬ」
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