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異世界
ーーーくん…
ーーたまきくん…
………誰かが俺の事を呼んでいる…?
でも目が開かないし体も動かせない。
一体ここはどこなのだろう。
それにしても何なのだろう。この実体のない感じは。
ーーあ、俺死んだのか
てことは、ここはあの世?
早く状況を把握したい。
未知の世界にいることがこれほどまでに怖いものだとは…。
「うーん…おっかしいな…もう目も開けられるはずだけどなぁ」
目を開けられる…?
それは俺の事を言っているのだろうか。
そんな期待も込めて俺は瞼を開けようと試みる。
あ、開く…
(……う、眩し…)
久しぶりに目を開けた俺はすぐさま目を閉じた。まだ寝ている時にいきなりカーテンを開けられてしばらく目を開けられなくなるあの現象と同じだった。
「あ!やっと起きたー」
耳が痛い。キーンとするからやめて欲しい。
寝起きにこの声量はきつい。いやこの場合、死起きか。なんてことはどうでもいいのだがこの馬鹿でかい声の持ち主は一体誰なのだろうか。
やっと目が慣れてきたようで俺は、ゆっくりと目を開けてみる。
そして、目の前に居たのは
「……子供…?」
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