悲しい世界

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俺の部屋として用意されたのはほぼ物置部屋と化した狭い所でぎりぎりベットが入るくらいのスペースだ。 …ぼふっ 俺はベットに倒れ込む。 「…何だよ…この生活」 死んでしまった方が楽なのかもしれない。 と思うことがある。 ーーでも そんな勇気はない。 きっと未来も今みたいに暗いものなのだろう。バイトで貯めたお金で未来を明るくすることももちろん、出来ない。 別に未来なんてあっても無くてもいいはずなのに。 それでも、バイトを続けているのは、心の底で本当はこの世界にしがみついていたいと思っているからなのかもしれない。 (あぁ……何なんだ) 環樹は、少しでも自分の心を落ち着かせるために枕に頭をうずめた。 苦しいはずなのに、悲しいはずなのに、 ー涙は出ない。 悲しむことも 楽しむことも 環樹は経験した事がないのだ。 ただひたすらにこの世界に諦めを感じるだけ。 そんな環樹の感情はどんどん薄れていってしまった。 環樹は、目を瞑り続けた。
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