悲しい世界

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ピピピピッ ピピピピッ ピピッ… 「…ん……」 ベットから起き上がると大きな欠伸をした。 1階へ行きそのまま洗面所へ向かうと寝癖でボサボサになった頭に手ぐしを入れた。 「…んー…今日は一段と寝癖が…」 それでもあまり気にすることは無く少しクシでとかしてリビングへと向かう。 朝は、1人で食べることはないが、居心地が悪すぎるため食べ終わるとすぐに家を出る。 「いってきます……あ…」 玄関のドアを開けると地面に跳ね返った雫が足に飛び散った。 「雨……!」 環樹は、心を弾ませて子供のように家から出た。 小さい頃から雨が好きだった。何となく、心が洗い流されるような気がして。 流石に学校へ行くのに濡れてしまうと面倒なので傘はさした。本当はさしたくないけど。 傘から腕を出しながら歩いた。 ポツ、ポツと雨が環樹の腕を濡らしていく。 「何だか、今日はいい事がありそうな…」 「んなわけないか……」
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