【 寂しいから、抱き締めて。 】

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 【 寂しいから、抱き締めて。 】

   「っ・・・・・・?!!」  締め切りと3徹明け、僕は、鏡の前で混乱と絶望していた。  僕は、文也(フミヤ) 俊介(シュンスケ)それなりに依頼の多い翻訳家。今回の作品は、短編だったからそんなに無理をしたつもりは・・・・・・ない。  しかしながら鏡に映る僕は、信じがたい容姿をしている。  もしかしたら今起きている事象は、気が付かなかっただけで疲労と過労から来るのかも知れない。 「コーヒー・・・飲むか。」  とりあえず、現実逃避してダイニングへと踵を返した。  ダイニングに行くと恋人が用意してくれていたコーヒーがポットにいつものように入っていた。そして付箋で書き置きも。  「ちゃんと食ってから、寝ろ!」締め切り明けになるのを知っていてそう書き置きをくれているのだ。冷蔵庫には、いつものたまごサンドが入っているだろう。   
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