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数か月後、私達の元に無事に可愛い女の子が生まれてきた。
「ありがとう、綾音」
出産して一番最初に涼介さんに言われた言葉。そのありがとうには、色々な思いが詰まっているのが伝わってきて、痛みも疲れも全部吹き飛んでいった。
その2日後、彼女の所には元気な男の子が誕生。
「息子君目元が旦那さんにそっくりだね~」
「皆に言われます。確かにそっくり。娘ちゃんは、目元が綾音さんにそっくりですよね」
「そうみたいだね。全体は涼介さんに似てるんだけど」
「そうか……?」
「目元は俺か。男前になるんだぞ!」
4人で我が子達を見ていると、ふいに彼女がこんなことを言い出した。
「同い年で丁度男女だし、もしかしたら将来結婚したりして」
「ふふっ。それもいいね。あ、じゃあ私達親戚になるのか」
「そうなったら嬉しいですよね」
「そうだね」
女同士で笑い合っていると、その両サイドには渋い顔の2人。
「嫁に、行く……?」
「え、涼介さんに殴られるの? 俺の息子が?」
まだ起こるかどうかも分からない未来のことを、真剣に悩んでいる2人が何だかおかしくて。
私達は顔を見合わせて笑い続けていた。
===END===
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