夜鷹の声

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……だったのだが。 「くそッ、痛てぇ」 計算違いが一つ。 (あのお嬢さんの銃の腕が、予想以上に良かったってこと……だな) 枕を打った弾丸はしっかりオレを狙っていて、多少外しはしたが足にかすり傷を負わせた。 (しかもこの傷。なんかおかしい) 妙な煙が出ているのは先程シーツで見たが、さらに酷く痛む。そして治らない。 ごく簡単な傷の治癒くらいなら出来るオレの身体なのに、このキズは痛みも出血も止まらないし塞がる気配もない。 「ハァっ、ぁ、……は……」 どんどん体力が削られていく。息が上がり、頭が重く視界が回る。飛んで居られなくなり、半ば墜落するかのように地面に沈みこんだ。 「く、そぉ……っ……ぁ、いてぇぇ」 湿った土の上を這い回る。えらく辛気臭い空気だ。 いや、うん、そういう場合じゃあないな。 痛みがどんどん深くなって、倦怠感についに手足の動きが止まる。 ―――酷く眠たい。瞼が閉じそうだ。意識が。落ちて……。
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