桐生 聖哉と政宗医師の秘め事

3/30
前へ
/79ページ
次へ
「……すごいかっこいいよねー政宗先生って」 「ホント素敵すぎー。私、先生に診てもらうために、仮病使っちゃおうかな〜」 佐伯が言っていたように、周りの女性たちがそんな会話をしているのが耳に入った。 ……くだらない。医者に診察をしてもらいたくて、仮病だとか……くだらなすぎる。 会社にいると、相変わらず苛立ちばかりがつのる。 「……でも、桐生さんと政宗先生と比べたら、どっちがいいと思う?」 「ええーそれ究極の選択〜」 「私は、やっぱり桐生さんかな〜だって、こっちの方が手が届きそうだしー」 不躾けな視線が向けられているのがわかって、キーボードに目を落とした。 うるさい……誰が簡単に手が届きそうなんだ……いい加減にしてくれ。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加