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「……かわいい恋人だって、」
にひっと笑いがこぼれる。
「気色悪い笑い方すんな…」
「かぁいい葵……ギュッてさせろ」
「させねぇーよ」
「なんで、」
「なんでじゃない。もう話済んだし帰るんだろ」
「もう少し飲んでいかないのか?」
「そんなんウチでもいいだろうが。シノ、早く帰ろう」
「なぁ葵ーうんな急いで帰らんくても〜」
「帰る」葵が腕を引っ張って、「帰って、……する」口にする。
「え、なんて?」
「……するんだよ、だから……エッチ…」
小さい声でぼそりと言う葵が、どうにも可愛くてしょうがなくなる。
「おし! 帰ってエッチするッ!」
声を上げ席を勢いよく立つと、一斉に視線がこちらに集まって、
「……バカだろ…おまえ…」
ふしゅうと湯気でも上がりそうに真っ赤になった葵が、帰りかけていたソファーへまたずるずると沈み込んだ……。
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