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強い西日が差し込む中庭で、やっと立ち歩く気力の戻った僕は少しだけ日光浴をしていた。夕方になってもまだ肌が汗ばむほど暑くて、これではすぐに熱中症になりそうだと思って、院内に戻ろうとしたところで久住に遭遇した。
「久住、そんなところで何して……」
横顔だったので最初は分からなかったけれど、とても悲痛な表情だった。
わかってしまった。
助けられなかった命があったのだと──
中庭の隅の日陰で、久住は僕を無言で抱き寄せた。
僕より背の高い僕よりイケてる男は、こんな僕を必要としている。
もうすぐ運命の七の月も中盤に差し掛かる、そんな頃だった。
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