第2話 七不思議のうわさ

3/9
前へ
/149ページ
次へ
七不思議と言えば学校の怪談の定番だ。 「まだ怪談が流行るには早いんじゃ?」 ゴールデンウィークが終わり、五月も後半に差し掛かろうとしている。 怪談の流行る夏はまだまだ先だ。 「うわさだもん。うわさが流行る時期なんて関係ないよー!」 夏世はそう言って僕の皿から唐揚げを横取りした。 見れば、夏世の皿にはもう唐揚げはない。 「食べ過ぎだろ」 怪談やうわさよりも、夏世の食欲の方が気になる。 いくら運動部……女子テニス部で活躍しているからとはいえ、高校生女子の食べる量を超えていた。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加