第2話 七不思議のうわさ

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そんな姉の様子に妹の夜深も呆れている。 「おにい、夏世ねえがごめんね。私の唐揚げ食べていいよ」 優しい夜深が僕に唐揚げを分けてくれた。 胃袋ブラックホールな夏世と違い、少食な夜深は食べ終わると食器を流しに持っていく。 「でも、夏世ねえの言うとおり、七不思議のうわさは学校中で聞くよ」 戻った夜深が話を戻した。 どうやら、夜深のクラスでも七不思議のうわさが流行っているらしい。 「僕は聞いたことがなかったんだけど、本当に流行ってるのか?」 「ゴールデンウィークが終わった頃から、色々聞くようになったよ。生徒会長の並木先輩が実は二重人格とか」 僕の問いかけに夏世が答えた。 明香先輩の二重人格疑惑……彩香と明香先輩の入れ替わりがあるからだろうな、と僕は思ったが口には出さない。
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