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夜深が口を開く前に夏世がココアを入れてきてくれた。
「夏世ちゃん特製ココアだよー!」
空気が読めているのかいないのか、夏世はマグカップを僕と夜深、それぞれに配る。
夜深がココアを一口飲み、再び口を開いた。
「一つはうわさの流行りだした時期だね。おにいの言うとおり、例年だと夏前から怪談が流行ってくるんだよ」
先程夏世に否定されたが、夜深も僕と同じ考えだったらしい。
僕が思った通り、七不思議などの怖いうわさが広がるのは夏が近づいてからだ。
「夜深ちゃんがいうならそうなんだねー」
夏世はうんうんと頷いている。
さっき同じことをいった僕を否定したあげく、唐揚げを横取りした自分と向き合ってほしい。
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