第2話 七不思議のうわさ

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夜深が口を開く前に夏世がココアを入れてきてくれた。 「夏世ちゃん特製ココアだよー!」 空気が読めているのかいないのか、夏世はマグカップを僕と夜深、それぞれに配る。 夜深がココアを一口飲み、再び口を開いた。 「一つはうわさの流行りだした時期だね。おにいの言うとおり、例年だと夏前から怪談が流行ってくるんだよ」 先程夏世に否定されたが、夜深も僕と同じ考えだったらしい。 僕が思った通り、七不思議などの怖いうわさが広がるのは夏が近づいてからだ。 「夜深ちゃんがいうならそうなんだねー」 夏世はうんうんと頷いている。 さっき同じことをいった僕を否定したあげく、唐揚げを横取りした自分と向き合ってほしい。
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