第2話 七不思議のうわさ

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水守姉妹も並木姉妹と同じで妹が冷静なんだよな、とぼんやり考えていると手刀で頭を小突かれた。 「夜深ちゃんの話をちゃんと聞くー!」 清々しいほど自分のことを棚上げした台詞だった。 僕がなにも言い返せないでいると、夜深が咳払いをして口を開く。 「二つ目はね、うわさの流行り方。七不思議のうわさは、一年、二年、三年でそれぞれ二つずつ流行ってるんだよ。誰かが意図して流したみたいに」 僕と夏世の一つ下の夜深は、一年生の間で流行っている七不思議のうちの二つのうわさについて知っているようだ。 ――あれ、でも、七不思議なのに三学年合わせても六つしかない? 疑問が顔に出ていたのか、夜深は僕を見て笑った。
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