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混乱する僕をよそに、先輩のそっくりさんは彼女の元へと歩み寄る。
「遅いわ、明香」
並ぶと瓜二つの彼女たち。
聞かなくてもわかる。
双子の姉妹だ。
「ごめんね、彩香。初回限定版の特典、届いてなくて手続きに手間取ったの」
「全く何をやってるんだか。お陰でこの子に見つかっちゃったじゃない。私のこと」
彩香と呼ばれた先輩の双子の姉妹は、ジロリと僕の方を見る。
その顔は見れば見るほどそっくりで、綺麗だなあと魅入ってしまいそうだ。
「ごめんね、ソラ君。こっちは私の妹の彩香。見ての通り私達は双子なの」
明香先輩が説明してきたが、言われるまでもなく僕は理解している。
双子の美少女が目の前に並んでいる、それだけは事実だった。
明香先輩はいつもと変わらずに笑うが、妹の彩香さんはツンとそっぽを向いている。
見た目はそっくりな姉妹も、性格は全然違うのだと見ていてわかった。
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