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先輩の双子の妹の話は聞いたことがないな、と僕はふと思った。
同じ学校の生徒なら、それも双子で美少女と言えるほど可愛いのだから、話題にならないはずがない。
「先輩に双子の妹がいたなんて初耳でした。妹さんにも初めて会ったし」
だから僕は思わずそう口にした。
最初に感じた率直な思いだったが、明香先輩は首をかしげただけだ。
「会ったことがないのは当然でしょ。私、この学校の生徒じゃないもの」
代わりに答えたのは彩香さん。
明香先輩がゆるふわな雰囲気なのに対して、少しきつめの印象を受ける。
つり目気味の瞳が余計そう見せるのかもしれないな、と僕は思った。
――でも、この学校の生徒じゃないって?
「今日発売のゲームを買いに行く明香の代わりに授業に出てたのよ」
さらっと彩香さんが言ってのける。
明香先輩は手をバタバタ振りながら何とか誤魔化そうとしていたが、もう遅い。
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