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ゲームを買いに行くために授業をサボる、生徒会長の明香先輩。
僕の中の真面目で一生懸命な先輩のイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていく。
しかも、自分の代わりに双子の妹に授業に出てもらうって……常習犯なのだろうな。
普段からサボっているのか、と思ってしまう。
僕の考えが顔に出てたのか、明香先輩はオロオロとしながら言葉を探している。
彩香さんの方はそんな姉の姿を見てため息をついていた。
「そ、それでソラ君はどうしてここに?」
何も誤魔化せていない明香先輩が、無理矢理話題を変えてくる。
先輩に告白しようとして探してました、とは言えなかった。
僕が告白したかった、真面目で一生懸命な明香先輩は幻だったのだろう。
今目の前にいる彼女は、ゲームのために授業をサボる駄目な先輩なのだ。
ふう、と小さくため息をついた。
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