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第6話 十三階段
仕切り直して新しい飲み物を取りに行く。
コーヒーとアールグレイティー、ココア。
空調が聞いているので僕たちは皆、温かい飲み物にした。
冷めないうちにそれぞれの飲み物を飲みながら、再びうわさの話に戻る。
「階段のうわさは聞いていますか? 確か、一年生の間で結構流行っていましたよね?」
先輩も学年毎に流れているうわさが違うことに気付いていたらしい。
一年生……夜深に聞くような口調だった。
「えっと、私が聞いたのは『旧校舎の階段が夕方になると一段増える』といううわさです」
増える階段のうわさは小学校の時も流行っていたのを覚えている。
数え間違いや思い込みで、実際に増えているわけではなかったけれど、子供心に恐怖を持ったのは確かだ。
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