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上機嫌の彩香と、逆に泣きそうになっている明香先輩。
何だか、先輩が可哀想に思えてきた。
「あの、先輩……」
「駄目、駄目です! 彩香がソラ君とお付き合いするなんて認めません!!」
手をバタバタと振りながら叫ぶ明香先輩はとても滑稽で。
今日一日で随分と先輩への印象が変わった。
それも、あまりよくない方向に。
「付き合うといったのは冗談よ。ソラ、本気にした? まずは友達からお願いするわ」
そんな姉とは反対に、彩香は落ち着いたままそう言ってきた。
意外と子供っぽい明香先輩とは反対に、クールで大人っぽい対応だ。
「よろしく、彩香」
そんな彼女に僕は右手を差し出した。
彩香が僕の手をとる前に、明香先輩が僕の手を握り込む。
何故か先輩と握手をした。
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