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――割り込んでまで妹の彩香の邪魔をしたいのか……。
僕の明香先輩への好感度が下がっていく。
イメージダウンもいいところだった。
けれど、本人はそれに全く気づいていない。
にこにこと笑って僕の手をブンブン振っている。
「さぁ、帰るわよ」
彩香がそんな姉を見て声をかける。
特に気を悪くした様子がないのは、明香先輩の対応に慣れているからなんだろうと思う。
「待って、彩香。置いてかないでー!」
歩きだした妹を追って走り出す先輩。
途中で振り返ると僕を見た。
「ソラ君、明日の放課後、生徒会室で待ってます! 来てくださいねー!」
そう言い残し、明香先輩は彩香と共に帰っていく。
部屋には僕一人が残された。
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